Jack's English Cafe

英語のあれこれ。ときどき日本語。

#6 treat おごる(奢る)

She was one of 13 high-ranking ministry officials involved in the authorization of licenses for satellite companies who were treated to expensive dinners by executives at Tohokushinsha.  ("the japan times" March 1, 2021)

(彼女は東北新社幹部から高額の接待を受けた衛星放送会社の許認可権に関わる13人の政府高官の一人であった)

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前回取り上げた"foot the bill"と似ているが、treatは主に「食事をごちそうする」という意味で使われる。「私がおごるよ」という時は"I'll treat you."または名詞形を使って"It’s my treat."と言う。ハロウイーンの"Trick or treat"はよく知られていますね。

 

1人あたり7万4千円の夕食と聞いてバブル期を思い出しました。今でもこういう高額な会食が当たり前の人たちもいるのですね。いや、当たり前だと「饗応する」効果はないので、やはり特別な食事だったのでしょう。(了)

 

www.japantimes.co.jp

#5 Foot the Bill  費用を負担する

"Working From Home Is Driving Up Our Energy Costs. Should Employers Foot the Bill?"

                                                                                            (TIME  February 26, 2021)

(在宅勤務で光熱費が増加、企業は費用負担すべきか?)

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アメリカでは新型コロナのために新たに在宅勤務となった人は約470万と見られる。在宅勤務者の家庭の電気代は昨年10月時点で10%増え、企業の電気代は14%減った。個人の負担額は月額$40から$50増えており、雇用主が電気代を負担すべきという議論があるという記事です。

 

Foot the bill という表現は面白いですね。動詞としてのfootには「踏む」という意味以外に「勘定を払う」という意味もあって通常foot a bill, foot the billという形で使われることが多いようです。

 

Work from homeは「在宅勤務する」でWork remotelyとも言う。work at homeは一般的に「家で働く」という意味(在宅勤務も含まれるがそれに限らない)。(了)

 

#4 「聞く」ということ

こんにちは。Uncle Jackです。

 

前回#3では英語の難しさをReadingの側面から考えました。今回はListeningについて考えてみたいと思います。

 

TOEIC Testという試験がありますね。日本では英語力を測る手段として広く利用されていますので受験された方も多いと思います。もう一つよく知られている試験は「英検」ですね。両者の違いは色々ありますが、「英検」が一つの試験で「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能を総合的に試す(級にもよりますが)のに対して、TOEICは「聞く」「読む」力を見る試験と「話す」「書く」の試験は別になっている点です。そして通常TOEICの点数を企業などから聞かれる時は、TOEIC Listening & Reading (L&R)の点数を指しています。L&Rの試験だけで英語力を見るのは適切なのか、と思われる方もいるのではないでしょうか。

 

www.iibc-global.org

 

「聞く力(L)」と「読む力(R)」で「英語の力」を判断する、というのは不合理なように見えますが、一定の合理性があるように思います。というのは、「話す(Speaking)」「書く(Writing)」の基礎となるのが「L&R」だからです。

 

「話す」力の基になるのは「聞く」力ですし、「書く」力の基となるのは「読む」力です。「聞く」「読む」は両方ともInputであり、「話す」「書く」はOutputです。Input=Outputではありませんので、L&Rの点数が高ければS&Wの点数も高い、というわけではありません。が、Inputが大であればOutputも大となる可能性があります。Inputが小さければOutputも小さい可能性が大です。なので、L&Rを見ればS&Wの「可能性」を想定することができます。

 

もちろん、「読む」力はないけれど「話す」力はあると言う人はいます。しかし、そういう人が言う「話す」力というのはおそらく日常会話のことではないでしょうか。TOEICや「英検」で試されるSpeakingの力は「まとまった考えを論理的に口頭で表現する力」のことです。企業などで求められるSpeakingの力もそのようなものです。それができるためにはReading やListeningで「語彙」や「表現方法(言い回し)」の蓄積をしておく必要があります。

 

一方で、「話す」ことと「書く」こと(S&W)は「聞く」「読む」(L&R)よりも易しいという側面もあります。「えっ」と思われるかもしれませんが、それはつまりこういうことです。「L&R」は他人が言ったり書いたりしたものを聞いたり、読んだりするわけですから、自分で制御することができません。難しい言葉や言い回し、専門用語、略語、俗語、方言などおかまいなしです。対面の会話であれば、こちらに合わせてしゃべってもらえるでしょうが、テレビ放送や空港でのアナウンスなどは一方的です。英語のメニューや掲示板もこちらに合わせてくれてはいません。ビジネス文書でも同じです。

 

それに引き換え、「S&W」は自分が文章を作るわけですから、自分の知っている単語や文法で対応できます。つまり自分のInputの範囲内で話したり、書いたりというOutputができるわけです。自分の力の範囲内で行えるという意味で「L&R」よりも易しいと言えるのです。結果的に、自分が話したり、書いたりする英語は「聞いたり」「読んだり」する英語よりもはるかに易しいものとなっているはずです。

 

以上は単なる理屈の話です。4技能のどれが易しいか、難しいかは人によって違うでしょう。Listeningが易しいと言う人もいれば、Readingが易しいと言う人もいます。おそらくWritingは誰にとっても最も難しいのではないでしょうか。母語であっても「書く」ということはとても難しく、一定のトレーニングが必要なのですから。日本の学校教育では、この「話す」「書く」という訓練をほとんどしません(母語でも英語でも)から、いざきちんと話す、書くとなるとお手上げという人が多いのです。Speakingも、まとまった考えを話すとなると、簡単ではありません。発音という要素が加わるし、事前に準備ができないという点で、Writingよりも難しいとも言えます。

 

それはともかく、L&RがS&Wの基礎なので、L&Rの力を見ればS&Wの力(絶対的な力ではなく、平均より上か下かという相対的なもの)のおおよその見当はつくと考えてよいのではないかと思います。私が大学で教えた経験からしても、L&Rテストの順位とS&Wテストの順位はほぼ同じでした。つまり、L&Rのテストで1番だった人がS&Wのテストで5番以下になることはないし、L&Rで5番以下の人がS&Wで1番になることもない、という程度の相関関係は見られる、ということです。

 

話がTOEICの方にそれてしまいましたが、今日言いたいのは「読む」のと同じように「聞く」ことは難しい、ということです。その理由は上に述べたように、「聞く」内容は自分が作るのではなく、別の誰かが作ったものだからです。私たちはどういう場面で英語を実際聞くことがあるか、考えてみればそのことがよく分かります。

 

*電話

*会議

*プレゼンテーション

*講演・講義

*空港・駅・機内・車内などのアナウンス

*テレビやラジオの番組(ニュース、ドラマ、ドキュメンタリーなど)

*映画

*演劇

*音楽

 

対面での日常会話は除きます。なぜなら、対面の場合こちらの英語力に合わせて相手がしゃべってくれることが多いし、分からないことは聞き返せるからです。ですから日常会話でのListeningはそれほど難易度が高いわけではありません(強い訛りのある英語は聞き取りにくいですが)。

 

上にあげたような一方的に話される言葉を理解するためには、やはりそれなりの訓練が必要です。手軽で効果的な方法を3つご紹介します。

 

<映画を見る>

自分の好きなジャンルの映画を中心に、できるだけ幅広いジャンルの映画を見ることが語彙を増やし、さまざまなタイプの人たちの喋り方に慣れるための近道です。お気に入りの映画のシナリオを読んでセリフを覚えたり、発音、イントネーションを真似たりすればSpeakingの力を高めることもできます。学習用のシナリオは色々販売されていますので活用すると良いと思います。

 

https://www.amazon.co.jp/%E6%9C%AC-%E6%98%A0%E7%94%BB%E3%81%A7%E5%AD%A6%E3%81%B6%E8%8B%B1%E4%BC%9A%E8%A9%B1/s?rh=n%3A465392%2Cp_29%3A%E6%98%A0%E7%94%BB%E3%81%A7%E5%AD%A6%E3%81%B6%E8%8B%B1%E4%BC%9A%E8%A9%B1&page=2

 

<TED Talksを聞く>

もっと仕事に近い英語(プレゼン、講義、講演など)を聞きたいという人にお勧めです。

さまざまな分野のスピーカーが登場しますので、一般教養を高めるうえでも価値がありますしプレゼンテーションの上手なやり方を学ぶこともできます。あまりにも数が多いのでどれを見るのがよいか分からない、という人は”The Most Popular Talks of All Times” “The Most Popular Talks of 2020”などから選ぶのが良いと思います。(なお、TEDでは画面に表示されるSubtitleのアイコンから言語を選択できるようになっていて、日本語を選択すれば、日本語字幕が表示されます。)

 

 < https://www.ted.com/ >

 

<英語ニュースを聞く>

NHK BS1の”World News”がお手軽だと思います。色々な時間帯(午前5時、6時、7時、午後0時25分)で放送されていますが、時間帯によってアメリカABCやイギリスBBCシンガポールCNAなどの放送があります(朝早い時間帯なので録画しておくと良い)。

 

https://www4.nhk.or.jp/P3102/

 

ニュースをやさしく10分間にまとめた”CNN Student News”というのもNHKBS1で放送されています。スマホであれば、”NHK World-Japan”アプリをインストールしておけばいつでも英語ニュースを視聴することができます。

 

今の時代、英語はテレビやネットで簡単に聞くことが可能です。けれども漫然ときいているだけではListeningの力はつきません。4技能のどの学習にも言えることですが、「数をこなす」ことと「集中する」ことを並行してやる必要があります。バックグラウンド音楽のように英語を流しておいて「英語の音に慣れる」こと、そして時には「集中して聞き取る」こと、意識的に聞くことが重要です。Readingよりもとっつきやすいので、とりあえずListeningを習慣化することに挑戦してみてください。(了)

#3 英語はなぜ難しいのか

こんにちは。Uncle Jackです。

明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。

といっても、年末から始めたばかりの新参者なので、「今年からよろしく」と言ったほうが適切なのですが。

 

コロナ禍に 何を祈るや 年明くる (惹句庵)

 

さて、皆さん今年の「初夢」はどんなものでしたか?日本では昔から「一、富士、二、鷹、三、茄子」と言いますが、縁起の良い夢をご覧になったでしょうか。今日は新年にふさわしい夢に関するTIMEの記事を紹介します。TIME Newsletterで送られてきた記事です(December 29, 2020)。

 

こちらをどうぞ。

 

タイトルは “Why Do We Dream? A New Theory on How It Protects Our Brains” (なぜ私たちは夢をみるのか?夢が脳を守っているという新説)というもので、興味深いですね。是非読んでみたい!

 

ところがどっこい、この記事をスラスラと読めた人は少ないのではないでしょうか。難しい単語が多すぎて、ちょっと読んだだけで行き詰ってしまいますね。最初の5パラグラフにある難しい単語を並べてみます。

 

*retinal cancer (網膜腫瘍)

*chemotherapy (化学療法)

*radiation (放射線

*echolocation (反響定位

*neuron (ニューロン、神経単位)

*cell(細胞)

*livewiring (「脳のニューロンの配線が固定的ではなく生きているがごとく変化すること」という意味らしい)

*visual cortex (視覚野)

 

「科学」分野の記事ですから、普段あまり見かけない単語が出て来るのはやむを得ないですね。それに、まさにこういった普段見かけない言葉を知ることが、この記事を読む目的の一つです。つまり、「語彙」を増やす、ということです(第一の目的は言うまでもなく、記事の内容を知ることです)。

 

私たちは、普段英語を聞いたり、読んだりする環境に身を置いていませんから、よほど努力しないと語彙は増えません。逆に、歳をとると共に忘れていく言葉の方が多い。

 

難しいと感じるもう一つの理由は、書かれている内容自体が難しい、ということです。科学の分野で仕事をしている方は別として、我々一般人からするとこの程度の話でもやはり難しいと感じるのではないでしょうか。逆に、専門分野の人がこの記事を読めば、語彙も含めて、すらすらと読めるに違いありません。

 

以上のことから、私たちが英語の文章を読んだ時に「難しい」と感じる理由は少なくとも二つあることが分かります。

 

一つ目は「語彙がわからない」、ということ。

二つ目は「テーマに関する基礎知識がない」ということ。

 

ほかに文法の問題もありますが、それは一旦置くとして、これら二つを克服する方法は何か?

 

それは、色々な分野に関する英語を読む、ということです。

 

単語集を片端から覚える、というようなことをしても語彙は増えません(小、中、高校生など脳が発達段階にある人は別です)。言葉はその言葉が使われている文脈(context)の中で覚えないと身につきません。専門性や抽象性の高い言葉ほど、そう言えると思います。

 

そして、色々な分野に関する文章を読んで、知識や見識を高めておく。それは必ずしも英語で読まなくても良い。日本語で書かれたものを読んで、日本語の語彙や知識を増やしておくことも大切です。上にあげた難しい単語のなかにある「化学療法」「放射線」「ニューロン」「細胞」などの日本語は多くの人が知っていると思いますが、知識は表面的かもしれません。

 

「難しい英語」を読むことは、必ずしも日本語での知識が十分ではないテーマに関する知識・理解を深める機会となります。ただ辞書を引くことにとどまらず、ネット上で関連する記事を読んだり、関連する書物を読んだりすることにもなるでしょう。そういう手間暇をかけて覚えた言葉は必ず身に付きます。逆に言うと手間暇をかけないと、言葉や知識は身につかないということでもあります。

 

私たちは普段、英語と切り離された日本語だけの世界にどっぷりと浸かった環境にいますから、よほど意識的に英語に触れる時間を増やさないと英語の力はつきません。その機会を提供してくれるものの一つが、今日とりあげたTIME Newsletterです。通常1回に8本、1日に2回記事を配信してくれます。アメリカの時事雑誌ですからアメリカを中心とした政治・経済・社会関連の記事が多いですが、国際的な問題や、今日取り上げた科学や医療、文化、芸能など、さまざまな話題が含まれています。これらの中から1日に1本、興味のある記事を読めば随分世界が広がりますし、英語の力もつくと思います(配信される記事の中には、印刷媒体のTIME誌に掲載されるものも含まれています)。

 

時間の無い人は読み飛ばしてください。まずは英語に触れる時間を増やすことが大事です。文脈から意味を類推することも大事です。どうしても気になる言葉は辞書で意味を確認してください。

 

ネットの時代ですから、こちらから主体的に取りに行けば、さまざまな媒体の記事が読めますが、黙っていても上質な英語の記事を無料で送ってくれるところはあまりないと思います。英語の質もさることながら、記事の内容の質が高い、信頼性が高くて安心して読めるという点は大事です。TIME の記事に是非チャレンジしてみてください。(TIMEの売り込みが目的ではありません。誤解なきように。)

 

 

 

#2: 「コロナ禍」という言葉

こんにちは。Uncle Jackです。

2020年の終わりが近づいていますが、その前にもうひとつコロナの話題を。

 

英語学習者へのクイズ:「コロナ禍」を英語で何というでしょうか?

 

夏ごろから「コロナ禍」という言葉が頻繁に使われていますね。私たちも日常的に使っていますが、メディアでの露出は非常に多い。それだけ使いやすい言葉、微妙なニュアンスを短く、うまく伝える」言葉だということでしょう。

少しだけ使用例を挙げておきます。(出典:朝日新2020年10月17日付け)

 

*スーパーXXの○○店長には、コロナ禍で気がかりなことがあった。

 *ZZ教授が提供したコロナ禍での「仕掛け」がもう一つある。

 *コロナ禍の『新しい生活様式』で我慢し続けるのは大変。

*運動会の季節は秋なのだが、コロナ禍の今秋は各地で様相が一変している。

 *コロナ禍で久しぶりに生の舞台を見ると言うお客さんも、多いと思います。

 

文脈によって多少違いがあると思いますが、最大公約数的な意味は「新型コロナの影響があるなかで」ということのようで、英語で使われている"amid COVID-19 pandemic", "during the pandemic", "during the time of great suffering"などの言い方が近いように思います。つまり、「コロナ禍で」「や「コロナ禍の」という表現の「コロナ」に当たる部分は"Covid-19 pandemic" "pandemic" "great suffering" で表現され、「で」「の」にに当たる部分は"amid" "during"で表現されているということですね。

 

英辞郎」というオンライン辞書には「コロナ禍」の訳として"coronavirus catastrophe"が掲載されていますが、そのような英語の実際の使用例をまだ見たことがありません。同じ「英辞郎」の「エイズ禍」は"AIDS epidemic" とあり、また「HIV禍と闘う」は"combat HIV epidemic"となっています。

 

「禍」(または「災い」)を和英辞書で引けば"catastrophe" "disaster" "calamity" ”scourge"などというまがまがしい言葉が出てきますが、メディアや我々が「コロナ禍」という言葉を使う時は、多くの場合そのような深刻な状況を言っているわけではないようです。ほとんど「新型コロナ」と同じ意味で、あるいは「新型コロナの影響」程度のニュアンスで使っているようです。「禍」というまがまがしい漢字を使いながら、「コロナウイルス」といったストレートな表現を避け、深刻さを和らげているかのようです。曖昧な表現を好む日本語らしい言葉と言えるのではないでしょうか。

 

因みにアルクが提供している「英辞郎on the WEB Pro Lite」は無料で使える超便利な辞書です。例文が多くて語の使い方が分かり易い。英語学習者は是非登録されることをお勧めします。(ただし、「辞書」はどんな辞書でも、あくまでも参考であって、訳す時は文脈に応じた言葉を探すことが大切であることは言うまでもありません。)

<https://eowf.alc.co.jp/search?q=%e3%82%b3%e3%83%ad%e3%83%8a%e7%a6%8d&ref=whn>

 

 

 

 

#1:コロナの年

こんにちは。Uncle Jackです。今日からブログを始めます。よろしくお願いします。

どうせなら大晦日ではなく、元日から始めればキリが良いのにと思われるかもしれません。でも今年の内に書いておきたいことがあるので今日にしました。

今年は新型コロナの年でしたね。今日現在、世界の感染者累計は約8300万人、日本は22万6千人です。世界と日本のデータを並べると。(  )内は日本。

www.worldometers.info

 

Cases (感染者合計):83,060,536 (226,596)

Deaths (死者合計):1,812,050 (3349)

Recovered (回復者合計):58,862,045 (189,466)

Serious/Critical (重症・重篤者数 ):106,616 (668)

 

2019年12月に中国・武漢で発生したとされる新型コロナですが、1年前にこれについて知っている人はほとんどいなかったでしょう。

 

実は私が主宰している「TIMEを読む会」でコロナに関する"China's Test"という記事を読みました(TIME February 17, 2020)。TIMEが初めて新型コロナについて大きく取り上げた記事(Cover story)でした。

www.amazon.com

 

新型コロナを国際的に"COVID-19"と呼ぶことは日本でもよく知られていますが、2月初めの時点ではまだそういう正式名称はついておらず、"2019-nCoV"と呼ばれていました。記事を引用するとこう書かれています。

"The novel coronavirus known as 2019-nCoV threatens more than the 24, 000 people known to be infected as of Feb. 4 or the 492 it has killed."

英語学習者へのクイズ:数字にtheがついているのはなぜ?)

 

2万4千人とか492人という数字は中国のものです。当時はこれがPandemic(世界的流行)になるかどうかもよく分からなかったようで、TIMEは次のように書いています。

"Some questions---whether the virus becomes a pandemic (or reaches epidemic levels on two continents), how many people it infects and how many lives it takes---remain shrouded in uncertainty."

 

「世界的な大流行となるのか、感染者や死者がどれくらいになるのか、よくわからない」という状態だったのですね。WHOが"COVID-19"という名前を付けたのが2月11日で、Pandemicだと明言したのは2月半ばごろだったと思います。

 

わずか数か月で私たちの生活はがらりと変わってしまいました。明日から始まる新しい年はどのように変化するのでしょう。ワクチンの登場で少し光明が見えたかに思われますが、感染力の強い変異株の出現で新たな脅威もあります。「収束」に向かったとしても「終息」するまでには年単位の時間がかかるとも言われています。

 

新年早々暗い話にはしたくなかったので年内に駆け込みました。

新しい年がどうか平穏でありますように、と切に祈ります。